RCA

エミール・ベルリーナが1887年にグラモフォンを発明した後設立された「ベルリーナ・グラモフォン」は、「ビクター・トーキング・マシーン」と名称を変えた後、1929年10月にGEとRCAの争奪戦の結果、RCAの傘下に入って「RCAビクター」となります。1929年10月29日が「世界大恐慌」のきっかけとなる株大暴落が始まった日ですので、この買収劇が数日遅れていれば時代は変わっていたのかもしれません。
いずれにせよ、この後、RCAはLP産業において重要な位置を占めるとともに、「LIVING STEREO」録音の登場によりレコードの最も華やかな時代をリードすることになります。RCAの技術力の高さがこのレーベルを支えていました。
RCA(Radio Company of America)そのものは1901年にニュージャージー、カムデンに設立された会社です。
なお、1957年というステレオ時代初期に提携関係をHMVからDECCAに変更することになりますが、これによりさらにレベルの高いステレオLPが生産されることになります。

SB 深赤色地に銀文字 (ステレオ)

ED1
RCAの録音を元に英DECCAでプレスされたLIVING STEREOシリーズです。間違いなくステレオLPの中でも屈指の完成度を誇り、現在でも中古レコード市場では大変に人気のあるシリーズです。特に、この深赤地のものは高値で取引されることが多いようです。
デザイン
特徴等
深赤地に銀文字でレコード内容が書き込まれています。中央上部にRCAのロゴ(Aが稲妻の足を持ちます。)その両脇に「RED SEAL」、さらに「LIVING STEREO」の文字が見えます。
カタログ番号  
上記写真 : フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団 ブラームス交響曲第3番 SB2007の第1面。

RB 深赤色地に銀文字 (モノラル)

ED1
RCAのモノラル録音の英国でのリリース盤と考えられます。トスカニーニを中心とした膨大な音源が納められています。
デザイン
特徴等
SBとほぼ同様のデザインです。
カタログ番号  
上記写真 : トスカニーニ指揮NBC交響楽団 ブラームス交響曲第3番 RB16102の第1面。

VIC 赤地に銀文字 (モノラル)

ED1
VICTROLA系のモノラル盤です。RCAのモノラル録音の再販盤と考えられます。中古市場での価格も安く、モノラル時代の名演奏を気軽に楽しむことができます。
デザイン
特徴等
赤地の上に銀文字にて内容が表示されています。中央上部にRCAのロゴ、その下に大きくVICTROLAの表示があります。
カタログ番号  
上記写真 : トスカニーニ指揮NBC交響楽団 エルガー エニグマ変奏曲 VIC1001の第1面。

VICS 栗色地に銀文字 (ステレオ)

ED1
VICOTOLA系のステレオ盤です。市場価格はSBほどではありませんが、多くのRCA録音(LSC)が英国ではこのレーベルでリリースされています。
デザイン
特徴等
栗色地に銀文字で表記されます。中央上部にRCA、その下にVICTORLAの文字が見えます。
カタログ番号  
上記写真 : コンドラシン指揮RCAビクター交響楽団 VICS1007の第1面。