EMI(HMV)
1931年に英コロンビアと英グラモフォンが合併して最強のレコード会社EMIが設立されました。その後、キャピタルレコード等を吸収し現在に至ります。 多数のレーベルの数を誇りますが、EMIのその時々の販売戦略により、有名録音は再販を繰り返してきました。 レーベルデザインの管理は年を経る毎に、特に廉価版においては統一感が無くなってきます。 EMIの膨大なリリース量の為、年々コントロールが難しくなってきたものと推察されます。プレスの現場はかなり混乱していたのではないでしょうか? |
ASD ホワイトゴールド (ステレオ)
HMVのステレオ初期オリジナル盤です。このLPから得られる立体感のあるサウンドは中古レコードコレクターをとりこにしてきました。DECCAのワイドバンドとはまた一味違ったホールの音響を感じることができます。 中古レコード市場で、最も高価で取引されるものの一つです。その豪華なレーベルから当時のステレオLPに対する期待と意気込みが感じられます。 代表的なものでは伝説の指揮者カンテッリが残した唯一のステレオ録音(ASD254 ベートーベン7番)、ジョコンダ・デ・ヴィートがクーベリックと録音した超レアLP(ASD 429)、シューリヒト指揮ウィーンフィルのブルックナー交響曲第9番(ASD 493)等がありますが、いずれも価格が高いということよりも、まず目にすること自体がありません。 |
|
デザイン 特徴等 |
金色の円周で囲まれた白地の部分に赤く「HIS MASTER’S VOICE」の文字がニッパーの下に描かれています。 |
カタログ番号 | ASD251からASD575まで続きます。 |
上記写真 : バルビローリ指揮イギリス室内弦楽合奏団 イギリス弦楽曲集 ASD521の第1面。 |
ASD 箱入りカラーニッパー (ステレオ)
ASD4桁シリーズの第2版、初版として利用されました。 | |
デザイン 特徴等 |
赤地にカラーニッパーが白枠の箱に入って描かれています。 |
カタログ番号 | 主にASD2484から2800までの初版、それ以前のセミサークル盤の第2版として利用されました。 |
上記写真 : ボールド指揮ロンドンフィル ヴォーン・ウィリアムス 交響曲第5番 ASD 2538の第1面。 |
ASD 箱入り白黒ニッパー (ステレオ)
ASD4桁シリーズの第2版、初版として利用されました。 | |
デザイン 特徴等 |
赤地に白黒ニッパーが白枠の箱に入って描かれています。円周に白線があります。 特に初版として用いられるLPでは、優秀でレベルの高い録音が多いのが特徴です。 |
カタログ番号 | 主にASD2402から3798までの初版、それ以前の上記箱入りカラーニッパー盤の第2版として利用されました。 |
上記写真 : ムーティ指揮ニューフィルハーモニア管 ヴェルディ 序曲集 ASD 3366の第1面。 |
ASD 箱入りカラーニッパー 円周に白線(ステレオ)
ASD4桁シリーズの第2版、初版として利用されました。 | |
デザイン 特徴等 |
赤地にカラーニッパーが白枠の箱に入って描かれています。円周に白線がありますので、2世代前のカラーニッパーとの区別がつきます。 |
カタログ番号 | 主にASD3801から3998までの初版、それ以前の上記箱入り白黒ニッパー盤の第2版として利用されました。 |
上記写真 : スヴェトラノフ指揮フィルハーモニア管 グラズノフ「四季」 ASD 3601の第1面。 |
ASD 大きなニッパー 2代目セミサークル(ステレオ)
ASD4桁シリーズの最後での第2版、初版として利用されました。 | |
デザイン 特徴等 |
赤地に上半円に大きなカラーニッパーが描かれています。 |
カタログ番号 | 主にASD3801の最後の方の初版、それ以前の上記箱入り白黒ニッパー (円周に白線)盤の第2版として利用されました。 |
上記写真 : ボールト指揮ロンドン・フィル エルガー交響曲第1番 SXL3330の第2面。 |
XLP 青地に銀文字 (モノラル)
モノラルの再販レーベルです。基本的にはALPの廉価版の位置づけですが、他レーベルで販売されていたものをXLPで再販したり、XLPでのみ発売されたレコードもあるようで、その関連性については一概に言えません。 ただ、当時はEMIが商業上安価で売り出すためのレーベルであり、そのレコード録音そのもののレベル、質とは全く関係がありません。また、オリジナルリリース時に比べると、レコード製作工程の一つ一つが進歩していましたので、音質が向上していることもざらにあります。 | |
デザイン 特徴等 |
青地に銀文字がベースとなります。XLPはコンサートクラシックシリーズと銘打たれています。 |
カタログ番号 | XLPは20000番代、30000番代が見られます。 |
上記写真 : グイド・カンテッリ指揮フィルハーモニア管弦楽団 ブラームス交響曲第1番 XLP30023の第1面。 |
SAN 金地にホワイトエンジェル (ステレオ)
EMIがエンジェルマークを復活させたレーベル。ニッパーとエンジェルが両方描かれているのはレコード会社の興隆の結果のようなものです。 オペラものが中心となりますので、セットもの箱入りとして販売されることも多くありました。SANとは別に箱自体にSLSというカタログ番号が振られていますので、レコード検索をする際に混乱してしまいます。 金地に白色エンジェルはSANシリーズの初版となるもので、多くは高値で取引されます。 | |
デザイン 特徴等 |
金色の地に白色のニッパーとエンジェルが上下に描かれています。中央上部に扇形で「HIS MASTER’S VOICE」と書かれています。 |
カタログ番号 | |
上記写真 : フリューベック・デ・ブルゴス指揮フィルハーモニア管弦楽団 オルフ カルミナ・ブラーナ SAN192の第2面。 |
SAN 金地に箱入りカラーニッパー (ステレオ)
上記ホワイトエンジェルの第2版に位置づけられます。 | |
デザイン 特徴等 |
上記ホワイトエンジェルに比べると色の濃い金地に、箱入りニッパーの上に黒いエンジェルが描かれています。 |
カタログ番号 | |
上記写真 : クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団 オッフェンバック 「ホフマン物語」 SAN154の第1面。 |
BOX 赤地に箱入り白黒ニッパー (ステレオ)
SLSシリーズではSAN、ASD以外にBOXというカタログ番号が直接振られているものがあります。 | |
デザイン 特徴等 |
ASDと同じデザインです。 単純に箱の番号に続けて、レコード番号が使用されています。 |
カタログ番号 | |
上記写真 : ロストロポービッチ指揮ロンドンフィル チャイコフスキー交響曲集 SLS5099の一枚目 BOX509901の第1面。 |
BOX メロディア盤 (ステレオ
BOXというカタログ番号が振られているもので、これはMELODIYA盤。 | |
デザイン 特徴等 |
ASDのMELODIYA盤と同じデザインです。番号のつけ方も上記BOX ASD盤と同じです。 |
カタログ番号 | |
上記写真 : エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮ロシア国立交響楽団 チャイコフスキー交響曲集 SLS881の一枚目 BOX88101の第1面。 |
HQS 黒地に箱入り朱白黒ニッパー (ステレオ)
ステレオ廉価版シリーズのレーベルですが、初版のものもあり優れた内容で充実しています。 デュ・プレ、ハンガリー弦楽四重奏団、ホイトリンク弦楽四重奏団など、実力演奏家が名を連ねます。 | |
デザイン 特徴等 |
黒地に銀文字でレコード内容の説明があります。朱色で中央に大きく「HIS MASTER’S VOICE」の表記があります。ニッパー部分にもこの朱色が使われていますが、ちょっとお粗末な印象を持ってしまいます。 ニッパーの右下にSTEREOの文字があります。 |
カタログ番号 | |
上記写真 : ホイトリンク弦楽四重奏団 モーツァルト弦楽四重奏曲K515 HQS1135の第1面 |
COLC 灰色地に音符マーク (モノラル)
「GREAT RECORDINGS OF THE CENTURY」シリーズのコロンビア音源盤です。膨大なEMIのアーカイブから昔の偉人達の演奏を集めたもので、SP時代の大家が登場します。 | |
デザイン 特徴等 |
灰色地に黒字でレコード説明があります。白字で真ん中上に「GREAT RECORDINGS OF THE CENTURY」の文字があります。音符マークが上部に見えます。 |
カタログ番号 | |
上記写真 : ブッシュ弦楽四重奏団 バッハ ブランデンブルグ協奏曲第1番 COLC13の第1面 |
COLH 灰色地にニッパー (モノラル)
「GREAT RECORDINGS OF THE CENTURY」シリーズのHMV音源盤です。 | |
デザイン 特徴等 |
COLCと変わらないデザインですが、ロゴがHMVとなっています。 |
カタログ番号 | |
上記写真 : シュナーベル(ピアノ) サージェント指揮モーツァルト ピアノ協奏曲第21番 COLH67の第1面 |
HLM 茶地に白枠ニッパー (モノラル)
SP時代の有名演奏家による演奏を復活させたもので、ステレオ効果処理が施されている様です。 | |
デザイン 特徴等 |
茶色地に灰色でレコード説明があります。ニッパーは白枠で囲まれています。 |
カタログ番号 | |
上記写真 : カザルス(チェロ) バッハチェロ組曲 RLS712中、HLM7050の第1面 |